生命の個性占星術・序2

生命の個性占星術・序2

占星術は、時代や社会の変化、人間の心の動きなどを、夜空の星を鏡として読み解くものとして長い歴史がありますが、その解釈は時代と共に変わってきています。現代の占星術は、西洋思想に仏教などの東洋思想が統合され、心理学などの学問的解釈も取り入れた形で発展してきています。

生命の個性占星術と一般的な西洋占星術との違いを端的に言えば、解釈のベースになる思想を「多元宇宙統合生命論」を元に再構築したものだと言えます。
過去世からの宿業は、自身の生命を成長させて、人生をより豊かにする為にあり、その宿業の試練を乗り越える事で、未来は自分の「意思の力」で変えていけるのです。
「生命の個性」を学ぶ事で、その具体的なヒントを探していく事が可能となるでしょう。

多元宇宙統合生命論では、宇宙生命の中に、あらゆる未来の可能性が重なり合って溶け込んでいるとされています。そして数え切れない程「無数の可能性」の中から、現実世界を生きる「私」の意思の力が「ある可能性」を選択します。それが「私」の未来です。

自分の未来を望む強い意思の力は、時としてまるで未来を変えてしまうかのように、大きく世界を動かす事ができます。これが人の生命が持つ偉大な可能性です。
しかし未来を変えられるだけの強い想いは、なかなか持てるものでもなく、ほとんどは確率の高い未来へと自然に流れていくのも現実です。だから占星術などの未来予測が、よく「当たる」のだと思います。
しかし決まった運命のように、変えられない未来など無いのです。

私達が生きている、この現実の世界は、「全体」の宇宙生命の無数の可能性の中から、ある可能性が顕在化したもので、そして次の瞬間には、また宇宙生命に還っていきます。また次の瞬間、新たに更新された現実世界が顕在化するという永遠の繰り返しが、この世界の真実であると捉えます。
まるで「心にも止まらぬ」速さで、コマ送りのように、宇宙生命への帰属と、現実世界への誕生を繰り返しながら、世界は常に変化し続けているのです。

そして、ある「瞬間」の現実世界の中に、私達が感じている時間軸における過去・現在・未来が同時に存在します。つまり新たな世界に変わる時には、前の「瞬間」の未来とは変わっている事になると解釈できるのです。
未来を変えるのは一瞬の人の心です。望む未来に進んでいくのだという「強い決意」を持てた「一瞬」で未来は変わるのです。その決意をする為の鍵が、「生命の個性」で読む、自身の「宿業の試練」に向き合う中にあるのだと考えます。

この世界は、一人だけの意思の想いでできているはずがありません。私達は皆、過去世からの絆を持って転生してきています。言い換えれば、過去世で他者と共に築いた「共業ぐうごう」を持って生まれてきているのです。
大切な人達とは、強い共業を持ち、何かを共に成し遂げる目的を約束し合って、今の世界に生まれてきています。日本に生まれた者は、同じ国の業を持ち、地球に生まれた全ての人々も人類の業を持ち、過去世からの「共業の結果」によって生まれてきたのです。
まるで切れない赤い糸に結びついたように、全ての人の想い、人と人の絆が「縁を織りなすように」結び付き、統合され、この世界を更新し続けているのです。

生命の個性占星術は、いわゆる「占い」のように、「当てる」事が目的ではありません。
自分の生命の個性という「心の傾向性」を自分自身で学ぶ中で、自分の望む「未来の私」を探し出す為のツールとして活用してもらいたいと思います。