占星術の「なぜ」を追求

占星術の「なぜ」を追求

占星術を知っている人は、ホロスコープはまさに個人の「魂の設計図」と表現されるほどのものだということを実感していると思います。
もちろん、よくある誕生星座(太陽星座)での星占いの程度では、正確性に疑問を持つ人もいると思いますが、出生時間から算出したホロスコープを元に、自身の人生を紐解くと、運命は決まっているのかと思ってしまうのもよくわかります。

人間の心の中には小宇宙が広がっています。そして夜空に輝く大宇宙の星々・・・私たちの内と外という相反した世界が、実は同一であったのです。三次元の世界に生きる私たちにとっては、全く別の存在、空間に見えるものが、同じであるかもしれないということは、科学を学べば理解できることでもあります。

夜空に広がる大宇宙は、私たちの心の中の小宇宙を映し出す「鏡」であった。

こう考えた時、占星術が「当たる」理由がわかるような気になってきます。
地球から遠く離れた惑星、天王星・海王星・冥王星は肉眼で見ることができません。
しかし、これらの星の動きが、私たちの人生の転機に大きな影響を与えていることは、占星術を学ぶ誰もがよくわかっていること。
地球からはるか遠くにある星々から、何かのエネルギーが出ていて、それが私たちに届いているのでしょうか?こう考えた方が疑問が生じます。

もし大宇宙の星々が、小宇宙の「鏡」であったとしたら、遠く離れた星ほど、私たちの心の深いところにあることになります。つまり、無意識の深いところに存在するのです。

天王星・海王星・冥王星は、私たちの無意識の心を示します。
同時に、過去世からの生命の傾向性、私ども研究会が「生命の個性」と呼んでいるものを表していると解釈することもできます。

無意識の領域は、人間の意識では自覚できておりません。
こう考えると、天王星より遠い天体が、肉眼で見えない理由も腑に落ちる気持ちになってきます。

しかし、無意識の中にあるものを、知識として学ぶだけで、それは「意識下」に置かれます。
無意識のトラウマを、専門家から指摘されるだけで、肉体や心の痛みが瞬時に治るという話もよくあります。
意識下で自覚するということは、自分の意思でコントロールしていくこともできるということです。

占星術には、数千年の歴史があります。これだけ超遠の時間を経て、なお進化成長しているということは、少なくても「夜空の星の動きが、人間の成長や人生に連動している」ことは疑いようもないと思います。
しかし「なぜ?」と考えた時、残念ながら科学では説明がつかないのも事実です。

ホロスコープが生命の法則を示すものだとしても、その解釈は占星術家によって様々です。その方の思想感が反映していることは間違えありません。
占星術には流派もなく、資格などもないことから、現代の占い師のほとんどが、先師たちの解釈をコピー・コピー・・・したものを用いているであろうことも安易に想像できます。
これが多くの人に信用がない理由なのかもしれません。

現代占星術に大きな影響を与えたとされるひとりに、心理学者のユングがいます。
ユング心理学では人間の無意識の底に「集合的無意識」という人類全体の記憶があると提唱しました。そして人類が持つ普遍的なイメージを「アーキタイプ(原型)」として分類しています。
ユング本人も積極的に占星術と関わり、現代の解釈に引き継がれているのは間違えありません。

「○○座はこういうタイプだ」という背景には、それなりの根拠があるのです。
そして現代的解釈が的を得ていることを、統計学的に見ても、経験からの感覚で捉えても、正しいのであろうことは実感ができます。
つまり、人間には「集合的無意識」という、人類全体と繋がった心があるのは正しいように思えるはずです。

では、なぜ集合的無意識が人間の心に刻まれているのか?それがどのように生まれたのか?・・・と更に「なぜ?」を掘り進めると、西洋思想をベースにした考え方では、「大いなる存在」による「神秘的な力」が働いているから・・・という結論にしかたどり着かないのです。

生命の個性研究会は、この「なぜ」を独自に考察してきました。
そしてその答えは、輪廻転生を唱えていた東洋思想、仏教の祖である釈迦が説いた「最後の結論」の中に見出すことができたのです。

私たちの人生は、過去世の「私」に、その根本的な原因があります。
幼少期の体験や、なぜ今の家族に生まれてきたのかという理由も、決して偶然ではなく、過去世の業を原因とする「伏線」として現れているに過ぎません。

そして今の人生に影響を与えている過去世の「私」にも、更に遠い過去にその「原因」があるはず。
これこそが、宇宙生命から「個」の人間として生まれてきた、私たちの生きる目的、「生命の使命」なのです。

この考えのもと、既存の占星術の解釈を再構築し、「未来は変えられるもの」「本来の私の使命を思い出す」ことを目的に生まれたのが、生命の個性占星術であります。