歴史から風の時代の傾向を読む

歴史から風の時代の傾向を読む

今は、長く続いた「地の時代」から「風の時代」に変わった時代の大転換期であります。
古い時代の価値観や風習が破壊され、新しい時代の再生が始まってくると、占星術などを学ぶと理解できてきます。
もし時代の流れを知らず、目の前の現実だけを見ていたら、あらゆる観点で未来に不安しか感じず、絶望を感じてしまうに違いありません。

占星術を学ぶ事で、時代を貫くエネルギーの流れを知る事ができます。
占星術の未来予測と目的が全く同じなのですが、確実に来る未来を予言している訳ではないのです。あくまで起こり得る未来を予測し、どういう方向に進んでいくかを決めていく事が大切です。

これは個人でも、社会全体でも同じです。同じ方向の未来を望む人が増えたなら、その方向に進んでいく可能性が高まるはずです。

今こそ、人類全体の意識が転換していく時なのだと思います。

未来を見据える為には、過去から学ぶ事も大切です。
今回は、占星術の話題とは離れてしまうかもしれませんが、日本の歴史において、前回の「地の時代」から「風の時代」への転換期を調べてみたいと思います。

前回の「地の時代」から「風の時代」の移行期は鎌倉時代

日本において、前回、地の時代から風の時代に移るグレート・ミューテーションが起こったのは1226年でした。

さて、歴史を細かく見ていくことも学びにはなりますが、今回のテーマでは、時代の大きなエネルギーの流れを見ていきたいと思います。
もちろん時代が変わったら状況が一気に変わるという事はなく、少し前から予兆があったり、人々の意識と連動し、少しずつ変化していくものでもあると思います。それは今も変わりありません。

当時の「地の時代」は、ザクっと、平安時代の後期から、鎌倉時代の中期にかけての期間です。
平安時代はとても華やかなイメージがありますが、それは貴族の生活のこと。実際はすごい格差社会であったようです。それでも歴史上では豊かな時代であったと考えられ、「物」に囲まれた生活を送っていました。
「眉毛を剃る時代は平和だ」というような例えがありますが、まさに現代の日本との共通点を感じるところはあります。

恐らく、ここで人々の心に不満が積もったのでしょう。鎌倉時代は貴族から武家の時代に移りました。武力という力を持って、一部の者達が独占していた豊かさを、庶民に広がる形になったのが鎌倉時代です。
鎌倉時代の特徴として、武士達が、土地の権利や領土などで争ったというポイントがあります。
そして次第に、政治が民衆を、権力を行使してコントロールし始めていくのです。

まさに近年の地の時代のエネルギーに酷似しています。

ところが、この時代は、外的な要因により、人々の不安が増大していきます。
地震などの自然災害、疫病によるパンデミック、それらが原因となる食糧危機・・・。
強いカリスマ性を持ったリーダーに欠け、政治は不安定になり、経済も崩壊。
国内の争いも絶えない上に、外国から攻められるという恐怖。(元寇)

これが地の時代から風の時代に移り変わった頃の日本の状況です。
現在の状況と極めて似ている事に気がつきませんか?

こうして風の時代に突入した頃は、人々の心の中に「変化」への不安が広がっていた事が想像できます。これまでと同じでは生き延びられない。時代は確実に変わっていく。古いものに頼る事はできない・・・。でも未来に希望も感じられない。

風の時代になった鎌倉時代では、様々な新興宗教が流行っていきます。
新興宗教といっても、そのほとんどが仏教の宗派の違いなのですが、それでも様々な宗派が乱立し、何が正しくて、何が間違えているか、わからなくなっていきます。

平安時代にも仏教は栄えました。しかしどちらかと言えば、一部の人達が文化教養の嗜みとしていた向きが強かったと思われます。
鎌倉時代の思想観は、どうすれば目の前の不幸から脱却できるのか。物質的な富では解決できない現実の問題を解決する思想を求めていたのだと思います。

今や時代が大きく異なります。情報化社会というように、インターネットを通して世界中のあらゆる情報が瞬時に手に入ります。
でも情報があまりにも多岐にわたり、コピー情報で溢れ返り、中にはフェイク情報や権力者による情報操作など、現代思想はもはや大混乱していると言わざるを得ません。

それでも物質的な価値観よりも、心の豊かさを求める価値観に変わってきている人がたくさんいます。

時代は大きく変わります。既に変わってきています。
時代の流れを理解し、その中にある落とし穴も見極めていかねばならないと思います。

占星術を学ぶ事によって、必ずしも幸福になれるとは限りません。
しかし時代の荒波の中で、確かな羅針盤を持つ事は、大きなアドバンテージになるのは間違えありません。