大アルカナ14・節制 TEMPERANCE

大アルカナ

大アルカナ14・節制 TEMPERANCE

基本的な意味

感情と思考のバランスをコントロール。
無意識と意識の合致。

逆位置

コントロールを失っているので、言動は極力抑えるように。

生命のストーリー

人間は感情もあれば、思考もします。感情と思考は時として一致せず、自分の中に矛盾や葛藤が生まれる事も。
犬猫などの動物にも、感情もあれば、思考もしているように見えます。人間と比べて程度が違うだけのようです。
では人間と他の動物の決定的な違いはといえば、思考で感情をコントロールする事ができるという事ではないでしょうか。

節制のカードの最大のポイントは、カップからカップへ、水をこぼさずに移している事。水は感情の象徴です。
つまり、感情を見事にコントロールできている事を意味しており、現実的な周りの状況もうまくコントロールできている姿がイメージできます。

感情には、意識の上に起きている感情と、無意識で自覚できていない感情があるかと思います。
例えば、何か良い事があったら嬉しくなり、悪い事が起きたら悲しくなるような感情は、自分でも自覚しており、理解できますね。こういう感情は比較的コントロールもしやすいかと思います。

しかし無意識の感情の中には、自分で自覚できないものがあります。
例えば、過去世の人生での経験、特に失敗の経験などは、原因のわからぬ恐れや不安として無意識の中に潜んでいます。これらは原因がわからず起こってくる為、思考ではコントロールする事が無理なのでしょう。

節制の天使は、片足を地につけ、片足で水の中に入り、それでもバランスを崩さずに涼しい顔をしています。
人間は、無意識の中で感じている事と、意識で認識している事に食い違いがある場合、理由のわからぬ不安感に包まれてみたり、時には肉体の痛みや、心の痛みとして現れる事があります。やはり理由がわからないから、思考ではコントロールできないはずです。

こうした無意識と意識のバランスも取れているからこそ、現実の生活の中でもうまく状況をコントロールしてやっていけるのでしょう。

逆位置の読み方のポイント

節制の逆位置は、コントロールを失っている状態だとシンプルに捉えます。
思考で抑えられないほどに感情が溢れている状態をイメージすると、正常な判断力を失っている姿が浮かんできます。
悲しみに包まれているのでしょうか?快楽に溺れているのでしょうか?怒りで我を忘れているのでしょうか?
無意識にある恐れに包まれて、現実を正しく見る事ができなくなっているのかもしれませんね。

節制の逆は、自身のバランスをコントロールできなくなっているだけではなく、実際に起きている現実の状況をコントロールできない事も示唆しています。
何か大切な事や、本来の目的を見失って、感情のままに行動していたり、その結果として、自ら墓穴を掘るかのような失敗をしてしまう可能性があります。

ダイレクトに悪い状況が出てくるカードなので、改善を促す強烈なメッセージと捉えましょう。

このカードが出た状況で、何かの行動を起こすと、失敗するよという警告としても受け取れます。対人関係であったら喧嘩になったり、仕事などでも間違えた判断をしやすい時だと捉えるといいかも。
暴走している感情は、簡単にコントロールできるものではなく、「頭を冷やして冷静になろう」というレベルで出てくるカードでもないと思うからです。

では、崩れてしまったバランスをどうコントロールするかというテーマに関しては、下記の「私の見解」でお話ししたいと思いますが、リーディング時においては「今は言動を控えた方がいい」と、暫定的な対策にしておくといいかもしれないです😅

私の見解

節制は、比較的リーディングのしやすいカードです。そしてこの物語においても、本来の意味をそれほど踏み外してはおりません。それほど・・・😅

感情と理性のバランスを取るという事は、すぐにわかると思います。しかし感情は、私達が思っているより複雑で、コントロールが難しいものです。なぜなら、思考は意識下にありますが、感情は無意識の領域にもあるからです。

よく思考が暴走して、悪い考えが頭を離れなくなるような時があるかと思います。これは思考が暴走しているというより、感情がコントロール不能になっていて、負の感情が負の思考を生み出しているパターンだと思います。
どんなに冷静になろうとしても、例え寝ている間でも、思考は働かなくても強い負の感情などは消えてくれないのです。

私も大きな業の試練にぶつかった時、精神を病んでしまいました。その時に教えてもらった治療法で、精神のバランスは取り戻してきましたが、簡単にお話しすれば次のような内容です。

解決しない問題があり、悩んでいる時、よく胸が痛くなったり、胃が痛んだりします。病気かと思えば、肉体的には健全だったりします。心の痛みが肉体に現れる事は、誰でも経験がありますよね。
これらは、無意識の自分と、意識の自分が食い違っており、脳が誤作動を起こす事で、肉体的な痛みとなるそうです。
この時、無意識の自分が、何を感じているのかわかれば、それは「意識」できますよね。こうして無意識と意識が合致すると、肉体の痛みも無くなるのだそうです。
私の場合、肩の痛みや腰痛、手足の震えなどの症状も出ていました。

治療を続けていると、自分が意識で「これを心配しているんじゃないかな」考えている事は、ほとんど外れていました。無意識の自分は、自分が知らない過去の出来事をトラウマのように引きずっていたり、自分が全く自覚していない事を感じていたり・・・。
5年前にあった出来事。10年前にあった出来事。無意識の傷は、頭では忘れている過去にある事も多かったです。
何回も治療を進めていくと、2000年前の出来事。8000年前の出来事などというキーワードも出てきました。それらが具体的な言葉として出てくると、言葉には表現できない感情が溢れてきて、涙が止まらなくなる事も何度もありました。思考ではおぼろげながらも、生命では過去の人生wを思い出したかのように・・・。

こうして肉体の痛みは無くなってきても、現実に起きている状況が解決したわけではありませんでした。それでも、心は安定してきて、苦しみの多くは自分の感情がつくり出しているに過ぎないんだと、自らの体験を通して知る事ができました

このように自身の体験を通して、意識と無意識の調和がいかに大切かを学びました。節制のカードを見た時に、バランスをコントロールするとは、この事ではないかと感じたのです。

私の場合、生命の個性占星術を通して、自分の過去世からの業に向き合えた事も大きいです。見えない心の世界を、より具体的に知るには、自身の生命の個性を知る事も大切だと思いますよ😄