小アルカナと大アルカナの本質的な違い

タロット考察

小アルカナと大アルカナの本質的な違い

人の心には、意識の領域と、無意識の領域がありますね。
無意識といっても、意識に近いところにある自覚しやすい心から、とても自覚できない宇宙生命の心とでもいうようなものまであるようです。

一生のうちには、何か特別な体験をして、心の底に眠っている本当の自分に気が付くこともあるのかもしれませんが、ありきたりの日常で、そこまではなかなか感じるものではないですね。

タロットでいえば、大アルカナが示してくれる劇的な出来事や変化ばかりが起きるわけではないので、
何気ない日常のちょっとした変化や、些細な心の動きを小アルカナから読むことで、リーディングに幅が生まれるのでしょうね。

逆に捉えれば、小アルカナやコートカードを含めて読むからこそ、大アルカナの強いメッセージが一層と輝いて見えてくるんです。

ところでタロットリーディングを行う際、様々なキーワードがたくさん並んだ、解釈事例を元に読もうとする人もいますよね。私もそんな時期がありました。

タロットは、ひとつ一つのカードの意味よりも、無意識から伝わってくるメッセージをキャッチすることの方が大切ですよ。
解釈事例にこだわってしまうと、感覚よりも思考が働いてしまうから、
事例にある意味を無理やり当てはめてしまったり、全体のストーリーを思考で繋げようとしてしまうかも。

こうなると、カードからのメッセージを感じるというより、読み手の考えに、タロットを後付けで近づけるあのような読み方になってしまいますね。

タロットはなるべく自由に読みましょう。そもそも、こう読まないといけないってことはないのですから。
カードからもらうメッセージからイメージを膨らませるためには、細かい解釈事例やキーワードなどには拘らない方がいいと思いますよ。
だから私も、カードの知識は最低限にシンプルに抑えるようにしています。

とはいえ、ウェイト版のような伝統的なデッキを使う場合は、せっかく完成度の高いメッセージ性があるので、それを無視するのではなく、有効には活用したいところです。

まずリーディングは、一枚一枚のカードの意味にこだわらず、
スプレッド全体から、何に焦点が当たっているのかを、感じてみましょう。

大アルカナには、自分では気がついていないような、無意識の深いところからのメッセージが来ているので、リーディング上は、強調するポイントとして捉えます。

それならば小アルカナには、自分でも十分自覚できる心の動きと、
その心が原因となることから生まれる、現実に起きそうな結果が現れると捉えられます。
少し難しいですね。ここは別の機会で、ゆっくり解説しますね。

さて、スプレッドを展開した時、小アルカナの四つのスートのうち、どのスートが強調されてますか?

ワンドは「精神」を表します。
精神といっても心の深いところにある「精神世界」みたいな抽象的なものではないですよ。
むしろ強く思っていること。何かをしたい、何かをすると決めた「意志」。
「決意」の心のようなものでしょうか。
心から湧き上がってくる活力や、行動を起こすための生命エネルギーのような「意思の力」です。

カップは「感情」を表します。
感情は、無意識の中からも湧いてきますが、カップの示す感情は、自分で自覚できる心の働きです。
時には喜びであったり、愛のようなものであったり・・
その感情を、自分ひとりで感じているのか、他者と分かち合いたいのかがポイントですね。

ソードは「思考」を表します。
剣は武器ですけど、現代の武器にあたるのが「言葉」ですね。ソードの示す思考は、攻撃的に出ることも多く、実際に争っている絵柄も多いですよね。
思考は他人だけではなく、自分をも傷つけるので、「ストレス」という形で出る場合も多いようですよ。

ペンタクルスは「価値」です。
ただし抽象的な価値観のようなものとは違い、現実的に価値あるもの、お金やものなどの象徴として現れます。
ペンタクルスが出る時は、精神的な心の変化というより、現実的に「形がある何か」や「結果」を求めている場合が多いですね。

このように、スートごとの違いを捉えただけでも、全体のイメージがしやすいはず。
次からは、各スートごとに、エースの示す「芽生え」から、10の示す「完成」まで、それぞれの物語を学んでいき
ましょうね。