大アルカナ1・魔術師 THE MAGICAIN

大アルカナ

大アルカナ1・魔術師 THE MAGICAIN

基本的な意味

新しいことを始める意思を固め、行動に移す為の準備が整った。
物語が動き始める。

逆位置

自分の内では、もうスタートしているが、現実的には準備不足の面もある。

生命のストーリー

私達の現実世界を創るのは、人間の持つ「意思の力」です。
望む未来の目標を定め、その目標を「必ず実現する」と決意し、行動に移していく時、新しい世界は誕生しています。
全ての迷いが晴れ、未来への希望だけを見つめ、立ち上がった瞬間が、新しい物語の始まりです。

新しい世界を創る為には、4つの準備が必要。
目の前のテーブルの上には、ワンド(杖)カップ(聖杯)ソード(剣)ペンタクルス(金貨)が揃っています。

ワンドが示すのは、火のように燃える生命エネルギー。生きる力の源泉となる根源の力。
カップが示すのは、水のような豊かな感覚。他者の人の幸福を願う、心から湧き出る大感情。
ソードが示すのは、風のような柔軟な思考力。正邪を見極め、決して負けない意志を生む力。
ペンタクルスが示すのは、地に足を付け、現実から逃げずに、形あるものを実らせる価値観。

こうして全ての準備が整った今、未来への希望を胸に秘め、湧き上がる強い生命力を持ち、人々と共に、この現実世界の新たな道を進み始めます。

正位置と逆位置の読み方のポイント

「マジシャン」は、何かの始まりを示すので、比較的読みやすいカードかと思います。
ここでポイントは、何かを始める為に「準備が整った」段階かどうかを示しているとイメージするとわかりやすいと思います。

小アルカナの各エースも、始まりを意味します。例えばワンドのエースなら「生命力が高まった」と読めます。カップのエースなら「感情が湧き出ている」と、やはり何かを始める準備の意味があります。

でも、本当に新しい事を始める為には、様々な要素が整わないと、良い結果は期待できません。
思考の上で「こうしよう」と決めても、感情が伴っていなければ始まらないように・・・。
気持ちが整ってきても、心に燃え上がるエネルギーがないと勇気が生まれません。
夢ばかりを追いかけて、現実を無視しても真の幸福は掴めません。
このように、全ての準備が整って、何かを始める段階が「マジシャン」の正位置に出てくると読むとわかりやすいと思います。

逆位置を「まだ始まらない」とか「始まるけれど、上手くいかない」というように、悪い意味で捉える解釈もありますが、ここはシンプルに「まだ完全には準備が整っていない」と読むとわかりやすいです。

マジシャンのカードが出る時は、もう何か新しいものが、自分の心の中では始まっています。
しかし、まだ感情が揺れているとか、現実的には少し早いなど、完全に整った段階ではないという程度に受け止めます。

私の見解

大アルカナコーナーの最初は、やはりこのカードから。
基本的な意味・・・少なすぎますかね?😅
でもここは、シンプルなほど、イメージしやすくなると思うので、頑張って少なくします。😁

さて魔術師とは魔術を使う者。目に見えない特別な力を持つ者という事になりますが、私はあまり意識しないようにしています。何故なら、ここでいう「力」は誰でも持っていて、誰でも使える力なのだから。そう思っています。

人は誰でも新しい事を始めるにあたり、「意志」を持って決めます。
話しを進める前に、「意志」と「意思」の違いが分かりづらいので、調べてみました。

意志=目的を達成する為の積極的な意欲
意思=何かをしようとする時の元となる心

「意志」は明確な気持ちであり、より思考から生まれたもの。
「意思」はぼんやりとした想いなども含まれると捉えられますね。

生命の個性研究会が提唱している「多元宇宙統合生命論」では、人間の「意思の力」が、この現実世界を創っていると捉えています。つまり、弱々しい心や、迷いの心、負の心であれば、そのような未来を引き寄せてしまうという法則になるというのが納得できますね。

「マジシャン」は、人が思考して「よし!やるぞ!」と強い意志が固まったと考えられますね。
何かを始めるにあたり、「これをしよう」と頭で考え、意志を決めたとしても、もし感情が伴っていなければ、「これをしなくちゃ」と義務になってしまったり、「やっぱりやめよう」と挫折してしまいますね。
思考から生まれる意志だけでは不十分で、心から湧き出る感情も伴わないとダメなのだと思います。

意志は人間の「意識」から生まれます。感情は「無意識」から湧き出るものです。意識と無意識の心にズレが生じた場合、心や肉体に痛みが出ると聞いています。このような段階では、まだ新しい何かを始める、生命力が十分に足りてないという事なのでしょうか。

私達人間は、本来は宇宙生命と同一の存在であるはずなのに、敢えて人間として何かをする為に生まれてきています。では私達の究極の目的は何かと考えた時、「他者の為に生きる」という答えに行き着くのではと感じます。
自分さえ良ければという狭い心から、他者の為に、みんなの幸せの為に、という心になれた時、心の底から生命のエネルギーが湧き上がってくるのだと思います。その原動力が、無意識の中にある、他者と繋がっている生命が感じる心=感情なのかもしれませんね。

もう一つ大切な事は、この現実世界で何かを成し遂げるには、観念の世界だけではダメだという事。地にしっかり足をつけて、現実を見据えて進んでいく事も大切なのだと思います。

こうして改めて見てみると、「マジシャン」にはタロットの全体像が凝集されたようなイメージがありますね。ちなみに、小アルカナの4つのスート=ワンド・カップ・ソード・ペンタクルスが描かれているカードは「マジシャン」だけなのですよ。

私的に、マジシャンが逆位置で出た時は、上に書いたように、何かの準備がまだ不足していると捉えます。それが何なのかが、今の自分に必要なテーマのはずです。
そしてそれは、大抵スプレッドの中に答えが出ています。どれかのスートが強調されていたりするので、意外と一目でテーマがわかったりしますよ。