大アルカナ2・女教皇 THE HIGH PRIESTESS

大アルカナ

大アルカナ2・女教皇 THE HIGH PRIESTESS

基本的な意味

意識と無意識が合致し、真実を知るが故、冷静に現実を見つめている精神状態。

正位置と逆位置

正位置は真実が見えている状態。
逆位置は真実を見失いそうな状態。

生命のストーリー

人間は本来は、宇宙生命と同一の生命です。宇宙生命から人間としての生命が生まれた時、まるで心に霧がかかるように真実が見えなくなっていきます。
意識上の私は、真実を見失っていますが、無意識の私は、真実をわかっています。そして意識と無意識に食い違いが生じる時、心や身体に痛みが伴います。
だから悩みや苦しみを感じる事は悪い事ではなく、宇宙生命の私からのメッセージなのかもしれません。間違えた方向に進まない為の警告なのかもしれませんね。

昔の人は、真実に目覚める時、神からの啓示があるかのように、自分の「外」にある存在からメッセージが来るものと思っていました。しかし本当は、自分の「内」にある宇宙生命の記憶を思い出しているだけなのでしょう。

無意識と意識が一致した状態は、心が非常に安定している為、目の前に起きている現実に振り回されることなく、冷静に真実を見つめています。
例え現実の状況がざわついていても、慌てる事もなく、落ち着いて静観する事ができます。

正位置と逆位置の読み方のポイント

正位置は、真実に目覚め、非常に冷静に現実を見ています。周りの環境や、周りの意見に左右される事もなく、感情を顕す事もなく、まさに達観しているような状態です。

逆位置は、意識と無意識の調和を少し崩しているような状態でしょうか。
真実を見失いかけて、今まで見えていたものが見えなくなってきているような状況なので、「何か大切な事を見失っていませんか?」というような警告として捉えます。

無意識の中の真実が変わるものではありません。意識の側にほころびが出てきた状況なので、人間らしさが顔を出します。
女教皇の場合、感情を露わにするというより、感情を抑えつけたり、押し殺したりするので、クールすぎたり、周りからは冷たく感じるかもしれませんね。人間関係を読んでいる時に逆位置が出たら、気持ちが伝わらないような冷たさが出ていると読めますね。

私の見解

女教皇のモデルは、ギリシャ神話の月の女神アルテミスであるという説と、古代エジプトの女神イシスだという説があるそうです。
ウィエト版タロットには、よく月のマークが出てきますが、月は心や精神状態を表します。目に見える状況の変化というより、心の変化を表すカードとして読むといいかと思います。

このカードの本来の意味は「神からの啓示」つまりこの女教皇はチャネラーを意味すると言われています。一般的なスピリチュアルが好きな人は、この意味で読むとわかりやすいのかもしれませんね。何かのメッセージが来る予感・・・みたいな感じになるのでしょうか?

敢えて私は、ここの捉え方を変えました。
神からの啓示って何を意味するのだろう、と考えたところ、自分の外から何かのメッセージを受けるのではなくて、自分の「内」に元々あった真実に気が付く事なんだと理解したからです。

その真実がある場所は、無意識の心ですよね。
こう考えていった時、このカードの意味が見え始めてきました。

女教皇のカードで、一番目に止まるのが、白と黒の柱です。
この柱からは、白と黒、陰と陽、善と悪など、いろいろな意味がイメージできます。
これらをまとめると「真実」なのだと感じました。

無意識の中にある、宇宙生命である私は、真実が見えています。
しかし意識上にある私は、目の前の現実という煙にまかれ、真実を見失っています。
でも、この落ち着き、何の迷いも疑いもないような表情の「女教皇」には、真実が見えているのだと感じました。

例えば、現実世界で不幸があったり、他者との衝突が起きていたとしても、全ては幸福になる為に、自分に何かを気がつかせる為に、意味があって起きている事ですね。
この真実に気がついてしまえば、不幸に悲しむ気持ちは起きません。他者に怒りを持ち争う気持ちも起きません。それこそクールで冷静に、達観して見ていられるはずだと思います。

この心の状態こそが、女教皇なのだとイメージできました。

女教皇の逆位置は、ものすごく悪いとは取りません。真実を見失って、落ち着いた心が乱れてきてますよ〜とか、真実を見失ってきてませんか?みたいな「警告」と捉えています。
ただし、人間関係を読む場合は、相手に対して、何を考えているかわからないとか、冷たすぎるイメージを与えているかもしれませんね。これは自分側として出ている場合と、相手の状態として出る場合がありますので、スプレッドの位置で判断します。