大アルカナ9・隠者 THE HERMIT

大アルカナ

大アルカナ9・隠者 THE HERMIT

基本的な意味

思考で真実を追い求める。
孤独に内省をする。

逆位置

思考に偏り過ぎて、真実から遠ざかる。
精神的な孤独に陥っている。

生命のストーリー

人は誰でも、人生の中で、ひとり静かに真実を追い求めようとする時期があるかと思います。
人生に疲れた時、何かの挫折を味わった時、真実とは何なのか、思考的、知的な探究心を起こします。

昔の人は、人里離れた山奥に籠ったり、世界中を旅をしながら、人生とは何か?と考え抜いていました。今は時代が違います。物理的に自ら孤独を選ぶ人は稀でしょう。それでも日常の中、心は孤独の世界に閉じこもり、ひとり真実の探究を進める時だってありますよね。

最初は、自分は何が間違えていたのだろうと内省から始まるかもしれません。隠者のカードは「内省」という意味で出る事が多いと思います。内省を進めていく中で、哲学的な真理の追求に入る場合もあるかもしれませんね。

隠者のカードの意味するところは、精神的な探求である事には違いありませんが、探求の方法が「思考」であるという点です。スピリチュアル的な感性を高める目的とは少し違いますね。
なぜなら、隠者は、暗いと言えるほど静かな状態だからです。感情や感性を高めると明るさが生まれる事が多いと思います。このカードからはそれは感じませんね。どこまでも思考の範疇なのだと思います。

思考に思考を重ねていくと、真実に近づいていきます。しかし思考は人間の意識の領域を出る事はありません。無意識にある自分でも気が付かない感情の中では、孤独や悲しみを感じているのかも。真実を求めても、求めても、なかなか答えに辿りつかない焦りの心が生まれているのかもしれませんね。
なぜなら、思考の中にだけ入り込んだ状況では、真の幸福感が得られないからです。このカードの暗さが、それを象徴しているような気がします。

人生のある期間において、孤独の世界で熟考をする時期は大切だと思います。
しかし、それをどこまでも続けてしまったら、真実を追えば追うほど、真実から遠のくという状況に陥ってしまうのだと思います。だから心がいつまでも暗いままなのでしょう。

正位置と逆位置の読み方

真実を探求し、思考を重ねる行為は、決して悪い事ではありません。また、いつでもこの状態とは限らないので、ある時に隠者のカードが出た場合は、今まで思いも寄らなかった考えが浮かんだり、足元が照らされるかのように、暗闇の中から抜け出すかのような、良い意味で出る場合が多いと思います。

隠者の逆位置は、思考に偏り過ぎな一面が強調されてしまっていると読みます。
まさに考えれば考えるほど、真実が遠のくような、悪い方向に転がり始めている状況を示唆するカードとして読むとわかりやすいと思います。

孤独が強調されている場合もあります。孤独とは物理的な孤独とは限りません。普段の日常においても、周りの人との考えに溝ができてしまったり、周りの人から、考えている事を内心否定されていたりと、精神的な孤独がカードにメッセージとして出てくる場合もありますね。

人はひとりで生きていけるものではないので、必要以上にコミュニケーションから離れてしまっては、やはり真実には近づけないと思います。真実は、どこか遠く離れたところにあるのではなく、ごく当たり前な日常や、人との関わりの中にあるはずなので。

ただし、隠者のカードも、何か決定的な失敗を意味するわけではなく、警告として捉えるのがいいかと思います。考え過ぎてますよ、とか、思考に偏り過ぎてますよ、などのメッセージとして受け取る事で、自分の陥っている現在地に気がつけたら、その瞬間から変えていく事もできますからね。

私の見解

隠者のカードは、占星術でいう、いて座♐️のエネルギーの悪い側面が現れてしまったようなイメージを感じます。どんな星座にも、良い面と悪く出る面がありますが、その典型的なパターンが隠者、特に隠者の逆に、同じ類の印象を受けます。

いて座♐️のエネルギーは、非常に知性が高く、どこまでも真理を追求したいというプラス思考のエネルギーがあります。元々のエネルギーは非常に活動的で元気の溢れたエネルギーです。
しかし、思考に頼り過ぎな一面もあるので、一歩間違えたら、隠者のように思考的、知的探求に没頭してしまうエネルギーがあります。

思考に頼りすぎると、感情を二の次にしてしまいます。自分の感情も思考でコントロールする傾向がありますが、このエネルギーを他者にも向けてしまいます。すると、どうなるでしょうか?理屈的には正しい事を言っているようで、相手の感情を考慮しない、冷めた発言をしてしまうのです。時には心をえぐるように傷つける発言も。結果として感情的に拒否されてしまい、望まなくても精神的な孤独状態に追いやられていくという「業」に直面してしまうのですね。
こうして、意図せず、隠者状態に陥りがちなのです😅

思考だけで、真実を追求すればするほど、真実から遠のいていくというのは、こういう事なのかもしれないなと感じます。

人間には意識上に感じている感情があります。理屈ではわかっているけど、自分をコントロールできないような感情もあり、これを無理やり理屈で抑えていくと心が壊れるかもしれませんね。
そして無意識の中にも感情があります。本当に正しい道や、自分の使命の道を生きていく為には、意識も無意識も、思考も感情も、合致していかないと、本来の生命力は出てこないと思います。

思考をする事、時には内省をする事は、非常に大切な事だと思います。
一歩下がって見る事で、見つかる答えもあるからです。特に真っ暗闇の中にいる時などは、足元が照らされる程度の些細な灯りでも嬉しいはずだと思います。

でも、その状態が行き過ぎると、まさに真実を求めれば求めるほど、真実からは遠のいていく・・・頭で考えれば考えるほど、思考のみでは答えを見つけられない事に生命が気がつくのではないでしょうか?
これが隠者逆の状態と捉えると、非常にわかりやすいですね。

さて、いて座♐️に関しては、掘り下げるともっと様々な事が見えてきます。もちろん良い面もたくさんありますが、思考に偏り過ぎた時に陥る、また別の傾向性もあるので、興味を持たれた方は、生命の個性占星術の方をご覧ください。
生命の個性研究会のメンバーのように、こうした考察好きの人は、いて座♐️エネルギーが強い人が多いんですよね😅 私もですが💦 だからかな、隠者は比較的よく出るカードの一つです😅