大アルカナ13・死神 DEATH

大アルカナ

大アルカナ13・死神 DEATH

基本的な意味

根底からの大変化・大変革。

正位置と逆位置

正位置=古い価値が終わっていく。
逆位置=新しい価値が生まれてくる。

生命のストーリー

私達が生きているこの現実世界は、私達人間の意思の力で創られています。
生命の観点から見た場合は、原因と結果は同時に生まれており、私達の心の中で何かが大きく変わったその瞬間、未来も同時に変わっています。

しかし、その変化が時間軸のある現実世界に現れる場合は、それなりの時間を要する事になります。
まさに根底から変わってしまうような大変革の場合、現実の状況がいきなり変われるとは限らず、じっくりと時間をかけ、段階を追って変わる事の方が多いのではないでしょうか。

デスのカードが示す本質的な意味は、生命に大変革が起こった事を象徴しています。

大きな変化は、最初に古い価値を壊すところから始まります。
現実世界を生きる私達の目の前には、これまで必要だった何かが無くなっていくような現象として現れるかもしれません。変化の意味を知らない、未熟な個の生命としての私達人間には、苦しみや悲しみが伴う形に映るかもしれません。

でもこの過程は、真の幸福に進む為には、必要な過程です。無意識の心の中では、何かの価値観が変わっていて、新しい価値観に目覚める為に、古い価値観を壊しているに過ぎないのですから。

大きな変化が生まれる時には、様々な感情が伴います。自分の内から湧き出てくる感情を全て出し切った時、最後に残った感情こそが、自分が一番大切にしているもの。
新しい価値観とは、新しく生まれたものではなく、自分の中に最初から眠っていた、真に求めるものを思い出しただけなのかもしれませんね。

正位置と逆位置の読み方のポイント

デスのカードは、死をイメージしてしまうので、出た時にドキっとしてしまう代表のカードだと思います。実際に「大凶」のように悪い意味で捉える場合が、一般的なのかもしれません。

しかし、このカードの示唆するところを掘り下げていった時、決して悪い意味ではありません。むしろ、なかなか経験のできない、大きな変化が起きた事を教えてくれるカードだとわかってきます。

デスは、正位置で出た時も、逆位置でも、既に心の中では変革が起きた証と捉えていいかもしれませんね。
ただ、正位置で出た場合は、今まさに何か不要になったものが終わっていく事を表しているので、現実的には何か大きな悩みに直面しているかもしれません。

例えば、人との別れを経験していたり、仕事を失っていたりと、感情的には苦しみや悲しみを伴う形での現実が現れている事もあるかと思います。

しかしこれは、新しい何かを生み出す為の過程だと捉えてくださいね。
デスのカードが出て、不安が生じた時は、まだ本来の意味に気がついていない証拠なので、意味を考えていく事も大切だと思います。タロットに現れていなくても、生命の個性占星術で具体的に気がつく事があるかもしれませんね。

注意して欲しいのは、例えば誰かとの別れを体験したような場合です。それはその人との絆が終わるというより、今までの表面的な関係が終わり、新しい関係が始まる可能性も高いという事。絆が切れてしまうと思い込む前に、深く考えてください。

デスのカードは、END=完全なる終わり、ではないですからね。

このカードが正位置で出た時は、恐らく、変化の意味にまだ本人が気がついていない段階です。自分の内にある、どういう価値観が変わるのか、何が大切なのかを熟考し、「現実的な判断を間違えないで!」というメッセージとして受けとって欲しいです。

逆位置の場合は、古い価値がもう無くなっていて、新しい価値による新たな現実が生まれてきている段階です。だからもう自分でも、この変化の意味を理解してきているかもしれませんね。

私の見解

死神(デス)や、塔(タワー)、悪魔(デビル)などの、いわゆる「大凶」みたいなカードは、出てくるとドキっとするだけではなく、読み方を間違えると、人生まで間違えてしまう可能性のあるカードだと思います。
例えば神社のおみくじで大凶が出ても、さほどダメージありませんが、タロットでこれらのカードが出て「こうなりますよ!」と悪い未来を指摘されてしまったら、諦めの気持ちが起こる人の方が多いからです。自分で悪い未来をイメージするようになり、その未来を自分で引き寄せてしまうのでしょう💦

こういう例をたくさん見てきており、私自身も苦しんだ過去があります。自分が鑑定した結果で、人を苦しめてしまった事もあり、一時期はタロットから離れていました。
私が生命の個性研究会に入った理由の一つでもあります。タロットが怖くなってしまった。でも真実を知りたかった。そんな葛藤が私の中にあったのだと思います。

この頃から、タロットとの付き合い方を、上書きしたかったのかもしれません。

このデスの記事を書くにあたり、すごく悩みました。
自分の中ではイメージができていたものの、言葉にどう表現するべきか・・・。
タロットから離れた時の自分が思い返され、私の言葉が、どう見てくれる人に影響を与えるか、正直怖くなってしまいました。

今こうして書いていて気がつきましたが、まさにデスのストーリーですね。
私の中で、過去の「タロット占い」との関係は、もう終わったのです。でも、タロットから離れていた時から、心の中ではタロットとの縁は切れていなかったのですね。そして今、新しい形のタロットを生み出そうとしている私がいます。

さて、本来「死神」とは何でしょうか?
死神とは「死を司る神」もちろん想像上の神です。一神教のキリスト教でも死神を認めていません。

ここで死についても少しだけ掘り下げます。
西洋思想では、死は終わりを意味します。そして一度死んだ後に、復活して再生する物語が思想のベースにあります。

ところが東洋思想では、死は「形の上での終わり」でしかないんですよね。生命は永遠に続くもので、人との絆もずっと続いていくものと捉えます。
今世で出会っている人とは、過去世からの縁が続いていて、必然的に出会うとされます。そして別れてしまっても、また新たな共業ぐうごう(共につくる業)を生んでいるだけなので、いつかまた必ず出会います。それが今世か未来世なのかだけの違いです。
だから、二人の業に対峙し、そこに隠された絆の意味に気がついた方がいいんですよね。絆に終わりはないのですから。

こうして考えてみると、一つ納得できた事がありました。
デスのカードは、人が死ぬ時には出ないんですよ。やっと意味がわかりました。肉体の死は終わりではないんです。転生したら「つづき」の人生がくるだけですね。

では何が終わるんだろうと考えた時、デスの本来の意味がわかった気がしました。
自分の生命の内に潜む「業」を一つ終わらせるんだと。

現在の私の悩みや苦しみは、過去世からの悪業が原因となっています。
業は報いを受けたら消えるものではなく、乗り越えていくものだといわれます。
今世で業の試練にあうのは、まずは自分が苦しみを体験し克服する事で、同じように苦しんでいる人達に道を示していく為なのだと。

生命の変革が起こった時、目の前の悩みや困難は、他者を幸福にする為という目的に変わるというのです。
これが東洋の思想です。

デスのカードは、死を告げるカードではなく、真実に目覚めさせるメッセージだと思いました。
西洋でも死神が神であるという事は、当時の人の心がこうイメージしたのかもしれませんね。

さて西洋占星術においては、冥王星が「デス」と同じような意味になります。
冥王星は無意識の一番深いところを意味するといわれます。無意識の中での変化を「死と再生」と西洋流に表現したのでしょう。

デスの一般的な意味「死と再生」も、現実世界での表面上の意味ではなく、生命の内の大変革であると捉えることができそうですね。

今、時代の変革期です。冥王星がやぎ座♑️からみずがめ座♒️に変わる時代にいます。
そして現実では、古い時代のものが次々に壊されています。これもまた、終わりを意味するのではなく、新しい時代が始まる前の段階なのだと理解できますね。

永遠に続く闇はありません。夜明けと共に、明るい希望の朝が始まるのですから😄