大アルカナ19・太陽 THE SUN
基本的な意味
光り輝く生命エネルギー・生命力。
現実世界で使命の大道を進む。
逆位置
【基本的には正位置と同じ】
熱くなり過ぎていないか、周りにも目を向けてみよう。
生命のストーリー
宇宙生命の私から、個の生命として分離独立した私。
人間には、宇宙生命に還りたいという帰属的欲求と、宇宙生命から分離したいという分離的欲求があります。
自身の内面や精神性の探究に興味が高まる時は、帰属的欲求が、現実的な活動に精を出している時は、分離的欲求が前面に出ているとイメージすれば、わかりやすいのではないでしょうか?
タロットが示す生命のストーリーでは、これまでに内面の探究が進んできました。
でも実際に生きている使命を果たしていくステージは、この現実の世界です。
私達にとって、宇宙生命の私を自覚していく事、個の人間として活動していく事は、そのどちらも正しく、必要な事です。ある期間は内面の探究を進める時期も必要ですが、人間として生まれてきた使命を叶えるステージは、どこまでいっても現実の世界でしかありません。
内面の旅を終え、自身の生命の使命を自覚した「私」は、いよいよ使命の実現の為に、現実の道を進みます。
現実を生きる事は決して簡単な事ではありません。様々な困難や障害を超えて進む為には、太陽が象徴する生命のエネルギーが必要。
使命の道とは、何も特別なものではありません。この道は、頭で考えて見つけていくものでもありません。好きか嫌いか・・・無邪気な子供の心こそが、宇宙生命の声を聞く鍵だったのでしょうね。
誰から言われるまでもなく、自ら進撃の旗を掲げ、力強く現実の道を進み始めました。
真の幸福とは、何かを我慢したり、犠牲にする事ではありません。自分ひとりが幸せになれば、周りはどうでもいいという事でもありません。
太陽の周りにはいくつかの”ひまわり”が描かれています。ひまわりは太陽の象徴。
太陽の生命エネルギーは、自らが光り輝く事で、周りの人をも輝かせて、全ての人々を幸福に導いていくエネルギーなのです。
正位置と逆位置の読み方のポイント
太陽のカードは、溢れ出るエネルギーの塊みたいなカードですね。それが逆位置でも、力強いエネルギーであるのには変わりありません。
よく太陽逆を、エネルギーが無いと読み、エネルギーが足りない事から生じるマイナス面として読む解釈もありますが、実際に悪い結果として出てきた事はほとんどありません。太陽が出たというだけで、これ以上にないくらいにエネルギーが高いのですから。
私は、逆位置でも正位置と同じに読みます。
ただ展開したスプレッドで、太陽が出た後に展開が悪くなるような流れがある場合は、少しだけ読み方を変えます。熱くなり過ぎて周りを焦がしていないか?自分だけ走り過ぎて、周りが着いてきていないのでは?みたいな感じで。こういうケースは多々ありますよね😅 「周囲を見てみてね」みたいな注意として読む場合はたまにあります。
この太陽のストーリーには大切なポイントがいくつか示されています。
使命の道といっても、他者を幸せにするといっても、何も特別な事ではなく、ただ純粋な子供のように、自分らしく自分の道を行けばいいのだという、非常にシンプルな答えに行き着きます。
真理といっても、頭で思考していくようなものではなく、子供のようにキャッチしていけばいいだけですね。私達の心の中にある子供心=インナーチャイルドこそが、宇宙生命の声を聞く受信機だったのですよ。
そして自分が自分らしく前に進んでいけば、周りも幸福への軌道に入っていく。まさに世界は「私」の意思で創られていくという事を表していますね。そのエネルギーの源泉こそが、太陽の象徴する生命エネルギーです。
私の見解
人間は一生をかけて、自分だけの宝物を探す旅をしているようなものだと思います。
そして一周まわって、最後に辿り着くのが、自分自身だったと。宝物は、最初から手にしていたわけですね。
それもそのはず。私達は本来、宇宙生命そのものなのですから。真理など探さなくても、自分の中に最初からあったという事です。
私達人間は、大人になるにつれて自我が芽生え、育っていきます。でもこれと引き換えに、真実が次第に見えなくなっていくのでしょう。
子供は答えを知っています。タロットの中でも、無邪気で小さな子供が描かれているのは、太陽のカードだけです。子供は全身に生命エネルギーを輝かせています。元気な子供を見ているだけで、勇気が出てきますね。どんなに辛く苦しい状況でも、子供がいる限り、生きるエネルギーが湧いてくるのではないでしょうか?
リーディングする場合は、太陽は自分の使命そのものでもありますから、将来を共にするパートナー、志を同じに進んでいく親友や同志のような存在として出てくる事もあるでしょう。
いずれにしても、自分の生命が求めている「正解」を表すカードと考えるといいですよ。
占星術においては、太陽は自我を表すといいます。一方、月は内面の自分です。自我が確立していない子供のうちは、月の性質の方が自覚しやすく、自我が芽生え始めた頃から徐々に太陽らしさが出てきます。
自我は年齢と共に育つものではなく、人生をかけて、自分の生き方を確立していくと共に、育っていくのだと思います。生命の個性占星術では、自分の太陽星座の生き方を、得意と捉えるのではなく、目指していく目標の自分と考えます。
社会に出るようになり、月の示す内面の自分は、押さえ込まれていきます。自分の感情をストレートに出す事は恥ずかしいと思うようになり、意識で感情をコントロールするからです。こうして自我の発達と共に反比例して、心の中にある真実がどんどん見えなくなっていくのかもしれませんね。
しかし無意識の中には、過去世からの業も隠されているので、誰でもいつかは自身の業に直面していく事になります。そして業の試練を乗り越える為に、内面の自分や、精神性に改めて目が向く時期が来るのでしょうね。
こう考えると、業の試練で苦しむ時期があるのも、深い意味があるとわかります。
ここで、私達人間は、何の為に生まれてきたのか?というシンプルで究極の問いにぶつかります。私達は精神性を追求し続け、心の世界だけで生きていく事はできません。
人間として生まれた究極の目的は、この地球という現実の世界で、自分自身が最高に輝き、幸せになる事。
そして自分が輝けば、自然と周りを照らす事になるので、周りの人をも幸福にしていく事ができるはず。正しくは、周りの人達も「私も輝きたい!」と思って、自らの力で幸福を目指すのではないでしょうか?
太陽のカードは、人生で目指すべきゴールに向かって歩き出した証。
心の世界の旅を終えてきた私達が、いよいよ正しい道に入った証なのではないでしょうか・・・。