小アルカナ☆ワンド5 WANDS Ⅴ

ワンド

ワンド5 WANDS Ⅴ★欲

人間の欲には限りがありません。
そして人によって様々な欲があります。
それゆえ、人が集まれば「対立」が起こります。

人の欲には、善悪や正邪の判断を下すことが難しく、各々にとっては正義であり、
違った欲を主張するものが悪になってしまうのです。

だから自分を主張すればするほど、他者も主張することになるので、対立しか生まれる構図になってしまうのですね。

もちろん対立している相手は、いわゆる「敵」だけとは限りません。
「身内」や「仲間」の中にも、持っている欲が違うならば、対立は生まれます。
それが複数になれば、もはや誰が本当の敵かわからないほど、ごちゃごちゃした状況になってしまうでしょう。

更には自分の中にも、様々な違った欲やエネルギーがあります。
確固たる信念や、確かな価値基準を持たない人は、心の中の自分でさえも、
ごちゃごちゃとした対立関係が、つまりは簡単にまとまらない「葛藤」が生まれてしまっているかもしれません。

どこかで道を踏み外すのも、道を誤るのも、心の中にある「欲」が原因なのかもしれませんね。

リーディングのポイント

どこまでも遠征を続けるアレクサンダー大王。
当初の目的は、世界を統一し、故郷を豊かにするというものだったのかもしれません。
ところが、兵たちは、征服した各地で十分すぎるほどの財産を手にし、これ以上遠征する意味がないと思うようになっていったといいます。まさに個人の欲に走った姿です。

アレクサンダーも心の中では、支配欲、名誉欲、物質欲、そして征服欲。様々な欲にまみれ、
本当の目的を見失っていたのかもしれませんね。

ワンドには戦いを示唆する絵柄も多いですが、敵の姿が描かれているのは、このカードだけです。
「対立」は結果にしか過ぎませんが、要は自分の心の中に様々な欲がごたついていることが原因で、
他者との関係を悪化させていると見るべきでしょう。
人間関係が関係ない場合でも、欲にまみれた、まとまりのない精神状態を表していると読めますね。

一度はぶつかり合うことで、好転に向かうこともあるでしょう。
正位置は良い方向に、逆位置は悪い方向に向かっていると読む場合もありますが、
どちらも自分の心の乱れが示唆されているには違いないので、
心が乱れてるとの警告として捉えた方がいいかもしれませんね。