ペンタクルス3 PENTACLES Ⅲ ★協力関係
人はひとりで生きているわけではありません。
人間の社会は、たくさんの人が集まって共存していますね。
助け合って生きるという意味もありますが、社会を発展させようとするならば、より多くの個性が必要だからです。
一見すると同じように見える社会のスタイルにも、本質が全く違う場合があります。
例えば、みんながみんな同じことしかできず、個性が埋もれた集団。
この集団は、数の力という足し算にしかなりません。歴史を見ると、このタイプの集団が育つ場合は、大抵は一握りの権力者だけが潤い、大多数の庶民は犠牲になるようです。
そして実際には、単純な足し算にはならず、本来あるべき力に届かない場合が多いと思われます。
なぜなら依存心を起こしてしまい、自分がすべきことすらも、他者に依存するような実態になってしまうから。
それに対し、個々の個性や特技、専門性を活かして、能力が違う人が集まるような集団ができた場合、
集団としての力は、掛け算になってくるはずです。
これが「共栄共存」の社会の、理想的な形です。
個人は、自分の専門分野を磨くことで、他の人にはできない能力を身につけていけば良いのですね。
これからの時代は、こういう社会を目指す流れになるのではないでしょうか。
リーディングのポイント
ペンタクルス3には、司祭と建築家と資産家が集まって、教会を造っている様子が描かれています。
ここから、他者と協力関係を結んで、何かを行うことを象徴しています。
教会が描かれていることから、何か神聖的なものに関わるみたいに読む場合もありますが、現実的には、そうあるものでもありません。このカードの意味は、例えば「宗教の団体に入る」みたいな要素よりも、創る側にまわっている意味の方が強いからです。
実際のリーディングでは、自分の個性や専門性を活かした協力関係を築くという意味合いの方が多く、
そこから、その専門性の学びを深めようとして行動することに焦点が当たるかと思います。
自分の特技を他者から認めてもらい、何かのプロジェクトの役に立ちたいみたいな感じになるのでしょうか。
または、これまでは自分のためだけに学んでいたことが、いよいよ実用的に役立つ段階に入るような感じですね。
とにかく他者との関わりが強調されているカードです。
正位置は、こうした専門性が役立つことがクローズアップされますが、
逆位置の場合は、この専門性に対する未熟さに焦点が当たります。もっと自分を磨いていかないと、対等なパートナーとしての役を果たせていけないとのメッセージであると受け取りましょう。