ペンタクルス10 PENTACLES X ★富
大切な家族がいて、平和な街の豪華な家に住む・・・
十分過ぎるほどの財産、ものに囲まれて、何ひとつ不自由のない生活・・・
富とは、物質的なものに恵まれた、人生における成功のひとつの形。
そして社会というコミュニティの中でも評価を受け、人々からも認められた形。
単なる自己満足ではなく、人間関係も良好な状態を、本当の意味での富と呼ぶのでしょうね。
言い換えれば、現実の物質世界のあらゆるものを手に入れた状態なのではないでしょうか。
そんな大きな富を手に入れた者にも、未来の不安はあります。
今、手にしている富は、過去の自分が夢を描き、努力をし続け、苦労も経験しながら築き上げて結果なのです。
どんな豊な状態も、永遠に続くわけではありません。
果たしてこの豊かさを、自分の子供が、自分の孫や子孫たちも、守り続けることができるのか・・?
人生でそれなりの成功を収めるためには、甘えた精神では叶わないのです。
どんなに恵まれた環境でも、そこに甘えてしまい、精進を怠ってしまったら、富を失うのも一瞬だからです。
物質的なものの価値は、精神性があってこそ得られるもの。
精神的な成長が無ければ、「富」が不幸の原因になることだってあるはずですね。
リーディングのポイント
ペンタクルス10は、物質的なあらゆる富を手にした、豊さに満ち溢れたカードです。
少しわかりづらいですが、主人公は、豪華なマントを背負った老人と思ってください。
幸せそうな子供夫婦、孫、そしてペットの犬まで、幸せ一杯の「家族」が強調されています。
豪華な石の門は、これまでの人生、努力を積み重ねて、ここまで築き上げてきたことを象徴。
田舎ではなく、街の豪華な家に住んでいるところから、周囲とのコミュニケーションも良好であることをイメージできますね。
そんな成功者の老人も、子供たち、孫や子孫の将来が心配なのです。
正位置は、まさに努力が実って、現実的な富や成功を手にした喜びが読み取れますね。
しかし逆位置には、この老人の心配事が強調されると捉えることができます。
つまり、豊な状況が仇となり、甘えた気持ちに支配され、更なる現実的な努力を忘れてしまったり、
精神性の探求を怠っているが故、自身の生命に託された使命に気がつかない状態・・・つまり「自分が何者なのか?」ということを見失っているかもしれませんね。
または、自分だけが良い状況となっていることを、周りが疎おしく思っているかもしれません。
これが原因となり、人間関係でのトラブルが示唆されている場合もありそうですね。