大アルカナ15・悪魔 THE DEVIL

大アルカナ15・悪魔 THE DEVIL

生命のストーリー

悪魔の正体は何でしょうか？
悪魔とは、全ての人の心の中にある究極の負の心です。自分の外にある何かではありません。
その負の心とは、人間の生命を真実から遠ざけて、不幸に落とそうとする心です。その心に支配され、囚われてしまった状態では、自分の中にある生命エネルギーが無くなってしまいます。

悪魔は、精神から狂わせていきますが、生命のエネルギーを失ってしまえば、肉体の健康にも影響が出ないわけがありません。だからデビルのカードが出た時は、心からのSOSだと捉えましょう。

デビルのカードに描かれている人間からは、苦しそうな表情を感じません。心が囚われてしまっているので、自分がおかしくなっている事に気がついていないのです。

低級な魔は、人間を苦しめる策を選ぶのでしょうが、この魔の王は、何をすれば一番、人を不幸にできるのかを熟知しているかのようです。そう、真実から遠ざけてしまえばいいのです。真実が見えなくなった人間は、自らの欲望やこだわりから、自ら坂道を転がるように不幸に転落してしまいます。

でも、この悪魔を退治する事は可能です。
不幸になる原因が、自分の外にあると思っている時点で、もう真実が見えていません。
この悪魔も、自分の心なのだと見抜く事です。見えなくなっていた真実を思い出すだけで魔の力は弱っていきます。
そしてトドメは、自らの生命エネルギーを高めること。自分の中にある弱い心、醜い心を、それら負のエネルギーにも勝る強い生命エネルギーで打ち破っていきましょう！

正位置と逆位置の読み方のポイント

私は、タロットは未来を占うものではなく、自分の心の現在地を知る事で、望む未来に進む為の対策を打つことを目的と考えています。
しかしタロットは万能ではありません。現在地を知って、考え方の軌道修正をすればすぐに変わる未来もありますが、タロットだけでは、どうしようもない現実はたくさんあります。

このデビルのカードがその代表で、デビルの状態に陥っている所から、簡単に這い上がれるものではないと思います。
真実を見えなくしてしまえば、人は勝手に転がり落ちていく・・・悪魔は、人の心の弱点をよくわかっていると思います。

でも、この言葉の中にも、真実が隠されていますよ。
真実が見えなくなるほとんどの人が「自分の内に問題があるのではなく、原因は外にあるんだ」と思っているという事。きっと不幸の原因を、誰かのせいにしたり、周りの環境のせいにしたり、運命のせいにしてみたり・・・自分に目が向いていないという共通点があると思います。

デビルのカードは警告ですね。強い強い警告だと思って下さい。
この状況を克服するのは、自分の内に答えを求めていくしかないですよと教えてくれているのだと思います。

デビルの逆位置は、囚われた最悪の状況から逃れ始めたと読みます。
でも、まだまだ真実が見えている状態とは言えませんね。ここで何もせず時間と共に改善していくものではないので、気は緩めないでくださいね💦
つまり、正位置であろうが、逆位置であろうが、取るべき対策に変わりはないですよ。

私の見解

西洋でいう悪魔＝デビルが、想像上のものである事は言うまでもありません。
しかし「魔」と呼ばれる存在は、東西共に、世界中、例えが違うだけである事も事実です。

実際、人間の歴史には、戦争などの争いが絶え間なく続いており、人々を不幸に落としていく目に見えない何かがあるのは疑いようもないですね。これこそが「魔」の働きなのだと思います。

デビルのカードは、全てのタロットの中でも最悪の位置付けにあるカードです。それだけ重要なカードでもあり、この中に幸福になる為のヒントも隠されていると思います。

生命のストーリーでお話しした通り、悪魔の正体は、自分自身の心です。そして、人間の心には、真実から遠ざけようとする力が確かに存在します。
具体的に解説もしましたが、真実から遠ざかる最大の理由は、不幸になる原因が、自分の「外」にあると思ってしまうからです。「私は悪くない！」と思ってしまう心こそが、自分の内にある悪魔の言葉なのかもしれませんね。

人類の歴史の中で、不幸に転がっていく人はたくさんいました。皆、自分自身で転がっていると気がついていないだけだったのではないでしょうか？
だから、デビルのカードが出る事が怖いと捉えないで欲しいです。むしろ有難い事だと思います。こんなにもはっきりと警告と答えを示してくれているのですから。

悪魔は誰の心の中にもいます。でも幸福を掴んでいる人もたくさんいるという事は、内なる悪魔を退治する力もみんなの中に既にある事を意味していると思います。

最終的には、生命のエネルギーを高めていく事がポイントです。ここでは書ききれませんが、まずは太陽の光をたっぷりと浴びてみて下さい。海や山などの大自然に触れる事も効果あると思います。そして大切な人を思い出して下さい。愛する人を幸せにしたいと願う気持ちが、生命力を高めてくれますから。

全ての原因は、自分の内になると思い、自分自身ともっと向き合いましょう。
そして、今すぐできる事からでも、生命のエネルギーを高めていく努力を最大限にしてみて下さい。

最悪は、最善に向かう為にあるのだと思います。
一番苦しんだ人が、一番幸せになる権利があります。
デビルのカードが出たという時は、ここから真実に気がつき、真の幸福に向かうチャンスが来たのだと、前向きに捉えてみて下さいね。

デビルのカードが出る時　タロットの注意点

デビルのカードは、基本的な意味だけではなく、様々なシーンで出てきます。
「あなたの引き方は間違っていますよ」という警告で、デビルが出る場合が多いです。
よくあるパターンを見ていきましょう。

タロット依存になっている時

これはかなりありがちですが、同じような質問を、何度もしている場合です。
時には鑑定師をコロコロ変えたり、ネットで占い難民みたいになってみたり😅
大抵このケースは、何かの悩みがあり、タロットを引いて満足のいく結果を得られなかった時、何度も引いてしまうパターンですね。

「もうこれ以上はダメ！」という警告として、デビルがよく出てきます。

この場合、タロットを未来を当てるツールとして捉えていて、良い未来が出てこないから納得がいかないのでしょう。つまりタロットに依存しており、決まった運命があるかのように、目に見えない外の力に囚われていますよね。まさに、悪魔の思惑どおりの状態になっていると思いませんか？

他者に対する負の感情がある時

友人知人を占う場合によくあります。自分が負の感情を抱いている友人に対し、その感情のままタロットを引いてしまうパターンですね。悪い結果が出るのを、心のどこかで望んでいるかのように。
さらに気をつけたいのが、この場合、頼まれてもいないのに勝手に占う場合もあるかと思います。

この場合もオラクルなど、わかりやすい場所にバーンとデビルが出たりします。
もしくは、デビル！タワー！デス！みたいに凶カードが出まくるとか😅

これは強烈なメッセージです。もはや根本的に間違えているというメッセージですね。

この人は、自分の友人が不幸になる事を、心のどこかに願っています。まさに悪魔の状態です。
そもそも、本人の許可もなく引く行為が、悪意のある「心の覗き見」に陥っていますね。
もしこれが、その相手に知られた場合、相手は深く傷つきます。ましてや「デビルが出た」とか言われた日には、深く落ち込むに違いありません。そして覗き見された不快感から、この人を憎むでしょうね。

この人は、この行為自体で相手を傷つけ、悪業を積んでいるのです。まさに悪魔の思うままに。
そして、友人もこの人を憎む事で、悪業を積んでしまいます。
このように、どちらか一方が不幸に向かうだけではなく、負の共業を互いに背負うという結果になってしまうのですよ。絶対にやめましょう。

占い依存、スピリチュアル依存も危ないですよ

悪魔の本質は、真実から遠ざけることです。自分以外の目に見えない力に頼り過ぎてしまうと、自分自身に目が向かなくなります。
もし、何か大きな悩みがなく、そんなに悪い状況でもないのにデビルが出る時などは、何か「外」の力に依存していないか、自分を見つめ直してみて下さい。

警告でデビルが出る場合

これまで補足で説明してきたように、警告としてデビルが出る場合のパターンがあります。

恐らく多くの場合、スプレッドのストーリーとして成り立たず、突然デビルが出ます。
例えば、ものすごく良い流れなのに、最後の結果だけデビルであったり、同じように全体的には悪くないのに、オラクルだけデビルであったり。

デビルが浮いたように出てくる場合は、質問の答えとは関係なく、「引くのをやめなさい」という警告だと思って下さいね。
意外とよくありますからね。