大アルカナ20・審判 JUDGEMENT
基本的な意味
ひとつの夢や、これまで努力してきたことの結果が出る。
自分で自分への評価を促す。
正位置と逆位置
正位置=望んできた結果が出る。
逆位置=諦めるのか?何かを変えていくか?
生命のストーリー
私達が生きているこの現実世界の未来に、決められた運命などはありません。変えられない未来もありません。
未来は、私達の意思の力で創っていく事ができるからです。
とはいえ、何でも簡単に思い通りになるわけではない事は、誰もが実感しているはずです。
未来を変えるだけの強いエネルギーは、そう簡単に生まれるものではないからです。
現在の私は、過去の私の結果です。今の私が幸せなのも、何かの悩みにぶつかっているのも、全て過去の私に原因があります。その過去が今世なのか、過去世なのかの違いがあるだけです。
同じように、未来の私は、今の私の結果です。これは、望む未来があるのなら、その未来を創り出す私になっていけば良い事を意味しています。
もし現状が望むものではなく、変えていきたいと思うなら、自分で自分を変えていけば良いのです。今の自分を変えていけば、未来は変えていけると信じています。
ただし、未来を動かすほどの力を発揮するのは、そう簡単な事ではないと思います。本当に自分がその未来を望んでいるのか?何が何でもその未来を創り出すと、どれだけ深く心に決意できているかが肝心です。
この決意を生む事も簡単ではなく、まさにスター(星)のカードが示すような、生命から溢れ出る大感情がないと生まれないでしょう。
決意には行動が伴わなくてはなりません。本物の決意からは自然に行動が生まれます。まさに太陽のカードが示すような、生命エネルギーに満ち溢れた行動が生まれるでしょう。
これら成長のプロセスを経て、真の決意が生まれた瞬間の生命の中に、新しい未来は既に創られています。しかし時間軸のある現実世界に結果として現れるまでは、それなりの時間が必要です。
いよいよ、過去に蒔いた種から芽が出て、今まさに現実の花が咲く時が来ましたね!
正位置と逆位置の読み方のポイント
これまでに夢見てきた事、そして努力してきた事の結果が出ようとしています。
このジャッジメントのカードは、本当に叶えるべき夢なのか、これまでの行動が正しかったか、可能性の高いすぐ近くの未来の結果を見る事で、自分自身の進む方向を、自分で自分に決断を迫るカードです。
正位置で出る場合は、夢が叶い、これまでの努力が身を結ぶ時が来たと教えてくれるカードです。自分の通ってきた道は正しかったと自信を持ち、ゴールはすぐ目の前だと思って、最後まで全力で走りきりましょう。
逆位置で出た場合は、今のままでは目的を達成できない事を暗示しています。
もしかすると、自分の心の中では、夢や目標が違っていたと感じ、諦めているのかもしれません。このまま進むにしても、何かを根本的に変えていくような軌道修正が必要である事を示しています。
このまま諦めるか、何かを変えていくか・・・自分で自分を再評価しなければならないでしょう。
ジャッジメントの示す、審判を下す人とは誰の事なのでしょうか?このカードのように天使でもなければ、神でもありません。審判を下し、決断をしていくのは、あくまでも自分自身です。
だから、このカードが示す可能性を見て、自分がどう決めるかです。道を変えて再度挑戦していくのか?それとも諦めるのか。自分が目指しているものは、本当に諦めていいものなのか、もう一度自分に問いかけてみてください。
未来は、無限とも思える幾つもの可能性の中から、自分で選んでいくものです。
未来はどこまでも、自分で決めて創っていくものですからね。
実際のリーディングにおいては、何に対するメッセージかを見誤らないでくださいね。夢も一つではないはずですし、努力してきた事もたくさんあるはず。何に関する事なのかは、質問から正しく判断しましょう。
私の見解
このジャッジメントが、一番本来の意味から大きく変えたかもしれません。
もちろん必ずしもこう読まないといけないという事ではなく、私のタロットのスタイルでは、こう読むべきと思ったからという事は、ご理解頂きたいと思います。
このウェスト版の思想には、当時の西洋思想観が反映されています。その大前提が、生命の生死観だと思います。
本来のタロットの解釈では、死は終わりを意味します。だからデス(死神)のカードは、何かの死=終わりを意味しています。そして、大いなる神のような存在(タロットでは天使が登場しています)に審判を受けます。いわゆる最後の審判ですね。ここで復活ができるか、完全なる死となるかが決まるというのが、当時の思想観です。
だから、本来のジャッジメントは、正位置が出たら、これまでに死んでいたものが復活する、という意味になります。一度切れてしまった縁が元に戻るというような解釈ですね。
逆位置が出たら、「復活できない」です。つまり完全な終わりを意味する事になります。
これをそのまま解釈に当てはめた場合、結論すると「運命は変えられない」という事になってしまいますね。
だからタロットは、占いであり、当たるか当たらないか、と扱われていたのだと思います。
私の中では、占いとしてのタロットは、もう終わらせています。この企画も、「占い」ではなく、自分で未来を創る為の目的に書き換えようとしている話しです。
その前提には「決まっている運命はない」「未来は自分で創るもの」という信念があります。全ての答えは自分の内にあり、自分の外にある大いなる存在に創られた世界ではないと信じているからです。
こう考えた時、ジャッジメントを、自分への評価としてのカードと位置付けました。
正位置は、自分のこれまでの努力が正しかったと、自分で評価しています。そして逆位置は、自分の中では何かの間違えに気がついており、一つの夢に対しての諦めの心が生まれているのかもしれません。
もちろん、何かを諦める事、別の道に進む事がいけないわけではないですね。自分で最終的に判断していけばいいのだと思います。
「諦めていますけれど、本当にいいですか?」カードを通して、自分への再決断を与えてくれているのでしょう。