小アルカナ☆ペンタクルス1 ACE of PENTACLES

ペンタクルス

小アルカナ☆ペンタクルス1 ACE of PENTACLES

基本的な意味

これまでの成果が現実に現れる。
新しく生まれた価値が、ここから続いていく。

正位置と逆位置

正位置は、生まれた価値に心から満足している。
逆位置は、モノとしての価値だけが強調。

生命のストーリー

人間は何の為に、この地球という現実世界に生まれてきたのでしょうか?
宇宙生命という全体から、わざわざ人間としての生を受けたのは、苦しむ為ではないはずです。悩みや苦しみも、幸せになる為に通る道だと思います。そして地球という素晴らしい大地で、豊かさを満喫する為です。

ペンタクルスの示すものは、現実的な価値です。地のエネルギーが示すように、大地に足を付け、五感で楽しんでいくという何かが始まる事のメッセージ。

ペンタクルスのエースは自分から何かを起こすものではなく、これまでの自分の結果が、いよいよ現実に生まれる事を示唆しています。

地のエネルギーは、コツコツ地道に努力を続ける事で、安定した豊かさを築いていくのが特徴です。
エースは、何かの始まりを意味しますが、その道が遠い彼方まで続いていく事を示しているのは、このペンタクルスのエースのみ。目の前の道が未来に向けて、どこまでも続いていくのです。

私たちは、幸福という大道を、現実世界のこの大地に進んでいく為に、生まれてきたのですから。

読み方のポイントと、私の見解

4つのスート、最後の一枚がペンタクルスのエースです。
自分の内に生まれた、新しい道を進んできた私たちは、観念の世界での成功を目指している訳ではありません。
地球という現実世界にて、現実的な幸福の形を得る事が大切です。

何故なら、幸福は目に見える形でないと、目標にするのが難しいから。
「私はこうなりたい」「私はこれが欲しい」という具体的な何かがあるから、そこに向かって努力できるはず。
幸福になるという事は、他者を幸福に導く為でもあるのだと思います。
精神の世界だけで「私は幸せだ」と言っていても、現実がボロボロだったら、何の説得力もなく、他者から見た場合の目標にはなり得ませんね。

現実世界は、人間の意思の力が創り出すと言われます。
無意識にある想いが、意思を創り、そして意思の力が現実を創ります。
まさに無意識の中にある想いがワンドとなって現れ、無意識から意識への架け橋が、感情としてカップに象徴され、意識の中の思考がソードに示されています。そして最後に現実の形として現れるのが、ペンタクルスです。

ワンド・カップ・ソードのエースは、自分の内に何か新しいものが生まれた事の象徴ですが、カップだけは少し違います。ワンド・カップ・ソードのスタートが原因となり、その結果として具体的に現れる現実こそがペンタクルス。
だから、カードに現れた時は、一見は突然、急に状況が良くなったかのように現れます。
ペンタクルスの絵柄が示すように、金銭的に良くなる場合も多いです。物に恵まれたり、人脈に恵まれたり、自分が大切に思っている価値が現実に花咲くような場合も多いですね。

ペンタクルスのエースは、地のエネルギーの悪い側面をイメージするとわかりやすいです。
占星術の観点から見た場合、これまで約200年間は、地の時代でした。
地の時代には、豊かさが広まり、文明的にも便利な世の中に大きく変わったと思います。
しかし、お金や物への価値観が強すぎて、本当に心を満たしていたかと言えば疑問が残ります。お金に対する執着が強すぎた結果、人々の精神性は病んでしまったかもしれません。その結果が、近年の様々な状況だと捉えれば、イメージしやすいですね。

ペンタクルスのエースは、お金や物には恵まれるけれど、精神的には満足できていない状況と捉えればいいかなと思います。
具体的なリーディングにおいては、例えば転職を考えていた場合、給料面では良くなる事を示しているでしょう。しかし本当に満足できる仕事かといえば、そうではなく、何かを我慢した結果、お金だけは得られるみたいなパターンでしょうか。

だから逆位置でも決して悪くはありません。ただ正位置のように、全てが満足とはならないだけと捉えて下さい。
それでとりあえず良しとするのもあり。もし違うと思ったら、何かを変えていけば良いだけですね。