木星と土星の意味☆無意識の扉を開く鍵
人生の幸・不幸は、目の前の状況だけでは決まりません。
目の前に起こったことに対し、自分がどう対処していくか・・・
その積み重ねの先に、幸福に向かうか、不幸となっていくかに分かれていくのではないでしょうか。
人生には様々な風が吹きます。
その風は、自分で起こしたものだけとは限らず、環境に原因がある場合もあります。
もし大きな逆境を迎えた時は、これまでの自分を反省したり、それを乗り越えようと 努力することも多く、結果としてプラスの方向に進むことも多いでしょう。
逆境は、人を強くし、成長させることが多いですね。
むしろ順風の時が問題です。
ものごとが上手くいっている時、目の前の楽しさや豊かさに満足をしてしまい、努力を忘れがちです。
時には、自分の実力以上の結果が出ているのに、それを自分の力だと過信してしまうかもしれません。
結果として、長い目で見た場合、転がり落ちていく人も、なんと多いことか・・・。
日々淡々と努力し続けることが、尊い生き方なのでしょう。
これが一番難しいですね。
さて、占星術においては、地球から近い星は、個人の個性、いわゆるパーソナリティの性質を示します。
夜空に広がる大宇宙は、心の中の小宇宙と同一であるという観点に立った場合、
地球から近い星は、人の「意識」の領域にあると考えられるからです。
水星は、思考のパターンや、コミュニケーションの傾向を示します。
愛情や、お金に関することなど、価値観全般の傾向を示します。
火星は、エネルギーの傾向です。
エネルギーは、行動のパターンとなって現れたり、時には怒りとなって現れます。
これらは、自分の意識で感じられる傾向なので、自覚することもたやすいです。
だから自分の傾向性を知ることで、それをコントロールしていくこともできる性質です。
もし、自分の性質が良い傾向だと思えたら、個性として伸ばしていけばよいでしょう。
悪い傾向、欠点だと思ったら、矯正する努力をすればいいだけです。
あくまで自分自身の基本のエネルギーを、どう生かしていくかを決める主体者は、自分です。
占星術においては、木星と土星を特に重視します。
これは、太古の昔より、この2つの星が大きく動く時、…
例えば、他の惑星と重なる位置に来たり、星座が変わったりする時に、社会に変化が起きたり、時代が変わるような何かが起こったりしたからでしょう。
もちろん、個人への影響も実感できる形で起きていたはずです。
こうして伝統的な占星術では、木星が来たら 良いことが起こる ラッキーの星、いわゆる吉星として知られてきました。
一方、土星が来たら、何か悪いことが起こる不吉な星として、凶星と思われてきました。
地球から近い星、火星までは自分の意識で自覚できる性質を表しているといいました。
しかし、木星と土星より遠い天体は、意識で自覚しにくい部分、いわゆる無意識の領域にあると捉えることができます。
人の無意識は自覚ができません。自覚がないと、自分でコントロールすることも、できません。
だから「周りの環境が変わる」という変化があることで、初めて自分の無意識の心の動きを知ることになるのです。
そして木星や土星は、無意識の中でも比較的浅い領域にあると捉えることができるので、
個人特有の「心の働き」を示す星であるとも考えられます。だから重要なのでしょう。
一般的に木星は、吉星として知られています。
しかし木星が必ずしも、ラッキーな変化を与えてくれるわけではありません。むしろ目の前の状況が悪化するという場合も起こります。
木星の本来のエネルギーは、発展・拡大。外に広がるエネルギーです。
もし、それまでの自分が、コツコツ正しく努力を積み重ねてきたら、その結果が目に見える形で花開いてくれます。
しかし、潜在的な問題を抱えていたら、つまり無意識の心の中に闇を抱えていた場合は、その問題を目に見える形で拡大するエネルギーでもあるのです。
一方、土星は凶星として恐れられています。
確かに土星が動く時は、目の前の状況的には何かしらの厳しい試練が訪れることでしょう。
日頃から不摂生な生活をしていたら健康を害したり、目に見える状況に制限がかかるなど、苦しい状態にはなりやすいです。
しかし、これまでの自分を反省し、状況を乗り越える努力をすることで、結果として、「あの時の苦労があったから、良くなった」となるケースも多いようです。
木星にしても、土星にしても、無意識の心が導いている働きに過ぎないので、
一時的には、目に見える環境の変化として「気が付かされる」ことはあり得ますが、
その時、自分がどう動くかで、未来は変わってくるのでしょう。
ここで頑張れた人、軌道修正できた人は、幸福な結果につながっていくはずです。
こうして、自分では自覚のできていなかった「無意識の心」が開かれる、そのためのエネルギーを持っている星といえるでしょう。
個人の 誕生時のホロスコープチャートにある木星と土星は、無意識に 得意とする傾向や、 苦手意識をもっている傾向などを示すことになりますが、
これまでの生き方次第では、試練を受け続けながら強くなっているかもしれませんし、
甘えすぎていて、本来の力が開花されていないかもしれないのです。
意外と、逆風を感じる分野では成長できているものですが、
順風の分野では本来の力が埋もれているものです。
だから自分の個性を、客観的に知ることは大切ですね。
伝統的な占星術では、吉星や凶星という概念が強くありましたが、
どんな星のエネルギーにも、人を不幸にするためのものはありません。
すべての星のエネルギーが、違った角度から、人の成長を促し、幸福に導いてくれるためにあるはずです。
特に、自覚ができない無意識のエネルギーは、まるで運命に翻弄されるように 目に見える環境が動いてしまうかもしれませんが、
無意識の傾向も、知識として知ることで、意識下に持ってくることができます。
本来の自分のエネルギーを、自分でコントロールできるようになれば、素晴らしいと思いませんか?