「全体」としての宇宙生命と「個」としての人間の生命

生命の個性

「全体」としての宇宙生命と「個」としての人間の生命

私たち人間の内にある「小宇宙」は、夜空に広がる「大宇宙」と同一であります。
そして宇宙とは、目に見える世界だけを示すものではなく、空間的には次元を超えた無限の世界、時間的には無始無終の永遠の世界であります。

生命の個性研究会では、この「全体」なる全ての世界を「宇宙生命」と呼んでいます。
なぜ「生命」と呼ぶのか、それは宇宙も、この世界も生きていると考えるからです。

古くでは仏教思想で明かされていた世界観が、近代の量子力学の概念と合致する方向に歩み寄ってきました。
近年ではこの「生命の真理」を信じる人も増えてきたように思われます。
全ての生命は、その本質において一体である。「ワンネス」と呼ばれる概念です。

このように人間の生命は大宇宙と同一であるという「全体」感も大切ですが、「個」の人間として生まれてきた使命や目的もあるはずです。私たちは宇宙生命から、何かの役割を与えられて、この現実世界にひとりの人間として生まれてきているのです。

宇宙生命をどこまでも無限に広がる「広大な海」とした場合、人間の生命を「波」に例えます。
波は海そのものです。波は海の「働き」を示す言葉に過ぎません。
私たち人間は、宇宙生命そのものです。宇宙生命の「働き」として、何かしらの使命を持って生まれた生命なのです。

人間の生命は輪廻転生を繰り返しています。時間を超えた永遠の「個」としての私の存在もあるのです。心理学の世界などでは「我」と呼ばれる存在。「私」の生命は、他者とは違う、個々の生命の傾向性があります。そしてこの生命の傾向性は、目に見える現実世界で自分や他者が認識している「個性」だけではない、より本質的な自分の生命の「個性」なのです。

こうして私たちは、宇宙生命という海から「波」として、この現実世界に現れ、そしてまた海と一体化していきます。この永遠の繰り返しのリズムこそが輪廻の仕組みです。

この生命の真理を科学で全て解明することは、少なくても私たちが生きている間では不可能でしょう。量子力学などの最先端科学をもってしても、現状ではほとんどが仮説に過ぎないのです。
しかし真理を探求することは、決して無駄ではありません。真理に近づけば近づくほど、自身の価値観や思想が変わり、人生はより有意義になり、心も満足するに違いありません。
逆に、真理から外れた間違えた思想は、間違えた生き方を選択する原因とも成りかねません。だからこそ真理の探求は、その答えが出なくても続けていく必要はあると考えます。

私たちが目指すことは、自身の生命の根源となる「使命」に気が付くことです。宇宙生命から波として現れた自分の「働き」の意味を「思い出す」ことです。
そしてそれこそが、達成するべき究極の「私」だけの使命。
その使命を叶えるべき「使命の大道」に入っていけるための一助となることを願って。