私たちの生命には「生命の個性」と呼んでいる、生命の傾向性があります。
しかし、この生命の個性は成長していく事ができます。
成長のきっかけの多くは、変化なのかもしれません。例えば、過去世からの業の試練に直面し、耐え難い苦しみを味わう事は、誰の身にも起きる事だと思います。その内容や程度は人によって違うまでも、その人にとっては、乗り越える事が不可能と思われる大きな壁として目の前に現れるのではないでしょうか。
この時、どうするかで未来は変わってしまいます。越えられない壁として諦めてしまうのか、目の前の問題から逃げてしまうのか・・・。一時的には問題が無くなったように感じるかもしれませんが、もしこれが業の結果であったのなら、いつか必ず同じような問題にぶつかる日が来るでしょう。もっと大きな壁となって立ち塞がるかもしれません。
だから、目の前の壁は乗り越えるべきなのです。業の試練は、その人の生命の成長を促す為に起こります。すなわち、乗り越えられない試練などは起こらないのです。その時のその人の目には、乗り越えられないように見えているだけだと思います。何故なら、過去に乗り越えた事がないからです。
人は困難があるから成長します。それを越えていく事で成長するのだと思います。
では、どのように目の前の課題をクリアしていくか、ここが一番重要な点なのではないでしょうか。
時には内省し、真理への探究を深める時期も大切だと思います。しかしどんなに知識を高めても、現実の問題を超えられる力になるとは限りません。
真実の答えは、心の中にあるとはいえ、思考だけの探究には行き詰まりがあるはずです。
心の中にある答えは、身近な現実の世界に、それも他者との関わりの中にあるはずです。
自身の心に眠っている答えが、他者の言葉を通して現れます。だから対話が大切なのだと思います。
現実の世界に向き合う為には、生命力が必要になります。弱い生命力では、厳しい現実に負けてしまいます。
そして生命力を高めていくのも、自分ひとりでは行き詰まりがあり、より生命力が高い人と行動を共にしていく事が大切になってくると思います。
こうした現実の学びの輪、生命の教育の場を創っていくのが、私ども生命の個性研究会の目指していく方向であります。今は、その土台を築いている段階に過ぎません。
しかし必ず、生命の個性を成長させていく実践の場を発展させていくように、私どももまだまだ成長して参ります。
今日から明日へ。毎日が決意の連続の日々として・・・。