多元宇宙統合生命論・概略

多元宇宙統合生命論

多元宇宙統合生命論・概略

無限に広がる大宇宙と、私たちの心の中にある小宇宙は同一です。
夜空に広がる星々は、私たちの心を映し出した「鏡」なのかもしれません。
私たちの生命は、大宇宙の生命と同一であり、この現実世界に「個」としての使命を持って生まれてきています。

私たちの世界の真実は、空間的には無限、時間的には永遠の宇宙生命の中から、瞬間・瞬間の人の「意思」の想いが統合されて現実世界として顕在化、次の瞬間には宇宙生命に帰属し、また新しい世界が再構築されていくという永遠の繰り返しであると考えます。

時代の変革期には、希望や期待よりも、不安や恐れが広まる傾向にあるようです。それゆえ近年のスピリチュアルブームのように、精神性を大切にする価値観に寄り添いたくなる人が多いのも当然かもしれません。

人間には、宇宙生命という「全体」から「個」として独立しようとする分離的欲求と、「全体」に還ろうとする帰属的欲求が本能的にあると言われています。
そして多くの場合、宇宙生命の自分を思い出したいという欲求が勝り過ぎ、現実世界の厳しさから目を背けてしまう傾向が強いようにも見受けられます。

多元宇宙統合生命論においては、人間の一瞬の「意思の力」で、過去・現在・未来をすべて含んだ「現実世界」が生まれると考えます。
現実世界を生きている、今の「私」が強い意思の力で未来を望み、深い決意をした時、無限の可能性の未来から「私が選んだ未来」に進むことができるのです。
未来を切り開くのは、今を力強く生きている私たち人間の「意思」の力です。決して変えられない、決められた運命のようなものなどありません。

今の「私」があるのは、過去の「私」の結果。今の「私」がどのように生きるかで、未来の「私」が決まってきます。
こう考えた時、過去世で積んだ悪業は、簡単に返せるものではありません。輪廻転生を信じていた古代インドでは宿業は避けられない運命的なものと捉えるのが主流でした。また初期の仏教思想でも、はるか超遠の時を、幾代も幾代も数えきれないくらい転生を繰り返し、悪業の報いを受けながら、修行で善業を積んでいくしかないと考えられていたのです。
つまり、現代を普通に生きていて、今の人生で幸福にたどり着けるようなものではありません。

業は、報いを受ければ解消するものではありません。業は「乗り越える」必要があるのです。
一瞬の生命の変革で、過去・現在・未来という時間軸を超えた全てを変えることができるからこそ、今生きているこの人生で、真の幸福を実現できるという可能性が開けてくるのです。

もちろん、この世界に人はひとりではありません。
私たち人間は、他者とも、そして人類全体とも、過去世から共につくってきた「共業ぐうごう」の縁で結ばれています。全ての人とは、縁に強弱の違いがあるだけで、同じ一つの生命として繋がっているのですから。

この人と人を繋ぐ切れない糸のようなもの、他者との「縁」が織りなすように人々の意思が統合し、この世界を創っているのです。
そして未来も、人々がどんな未来を創っていくかとの「決意」次第で、決まっていくのです。

今やインターネットの中には、数多くの偽情報やコピー情報が溢れかえっています。この傾向性は、生成系AIの登場により、一段と加速すると考えられます。
何が正しくて、何が間違っているか・・・ますます時代は混沌としてきました。
間違った思想は人の人生を狂わせてしまいます。
これからの子供たちは、溢れかえった情報の中から真実を見抜く力と、自分自身の確固たる信念や思想を身につけることが最も大切になってくると思います。
目に見えない世界の真実の「答え」は証明できるものではありません。しかしどのような思想を持つかによって、未来が変わってくるのも事実です。

真理は探究するだけでは足らず、日々の実践活動の中で「生命」で会得していくものだと考えます。
思考だけの先には真実の答えはなく、意識から生まれた行動が、未来を切り拓いていく鍵となります。
そして未来を創る主役は、未来ある子供たちに他ありません。

この理論も単なる机上の理論とするのではなく、より実践的な「形」へ、人生の指針となるような教育ツールへと発展させていくことが、私たち生命の個性研究会の役割だと考えております。